【5月16日 AFP】中国人が2015年3月までの1年間に米国で購入した住宅用不動産が約285億ドル(約3兆円)に達し、国籍別で最大だったことが15日、最新の報告書で明らかになった。中国からは国外の安全な資産を求めて米国の不動産に多額のマネーが流れ込んでいる。

 報告書は非営利団体アジア・ソサエティー(Asia Society)と米ローゼン・コンサルティング・グループ(Rosen Consulting Group)がまとめた。長年、米住宅用不動産の購入額ではカナダ人がトップを占めていた。

 中国人による2010~15年の米住宅用不動産の購入額も930億ドル(約10兆円)強に急増。この間の商用不動産(土地を含む)の購入額も170億ドル(約1兆8000億円)強に膨らんだが、増加ペースは住宅の方がはるかに速いという。

 報告書は中国人によるこうした巨額投資について、2006年に崩壊し2008年の経済危機の原因となった米不動産市場の回復に寄与したと分析している。

 中国当局が資本流出に対する取り締まりを強化した結果、中国人による米不動産投資の伸びは鈍化したものの、2016~2020年には2180億ドル(約24兆円)に倍増する見通しだという。(c)AFP