【5月16日 AFP】ロシアのビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)スポーツ相が15日、今夏のリオデジャネイロ五輪出場を脅かす自国選手の組織的なドーピングスキャンダルについて、英紙上で謝罪した。

 ムトコ氏は英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)に対し、ロシア陸上競技連盟(ARAF)と選手が「深刻な過ち」を犯したことを認め、「彼らはスポーツの基本中の基本であるフェアプレーの原則を否定し、目先の利益を優先した。はっきりさせよう。われわれは彼らのことを恥じている」と語った。

 ロシアの陸上選手は現在、8月のリオ五輪に出場できない危機に直面している。――きっかけは2015年11月、世界反ドーピング機関(WADA)の独立委員会が、ロシア陸上界で国家ぐるみの薬物違反と広範な汚職がまん延していると述べた報告書を公表したことだった。

 これを受けて、国際陸上競技連盟(IAAF)は暫定処分としてARAFの資格を停止した。リオ五輪への最終的な参加の可否は、6月17日に行われるIAAFの特別会議で判断されるものとみられている。

 ムトコ氏は「われわれや世界をだまそうとする者たちをすぐに捕まえられなかったことを申し訳なく思う。ロシアはスポーツの最高水準を守ろうと努めており、五輪の価値を脅かすあらゆる行為を許さない。こういう事態になったことは非常に残念だ」と述べた。