【5月15日 AFP】コンゴ(旧ザイール)政府は14日、同国が国際社会の制裁に違反して北朝鮮製の拳銃を調達し、国連(UN)の平和維持活動(PKO)要員に支給しているとした国連の報告書は「全くのうそ」だと厳しく非難した。

 政府報道官はAFPに対し、「(報告書は)全く事実無根だ。ローラン・カビラ(Laurent Kabila)前大統領が(2001年に)死亡して以来、北朝鮮との協力関係は一切ない」と明言した。前大統領は現職のジョゼフ・カビラ(Joseph Kabila)大統領の父親。

 AFPが13日に確認した同報告書によると、北朝鮮製のものに特徴が類似している拳銃が国連中央アフリカ多面的統合安定化ミッション(MINUSCA)に派遣されているコンゴの軍と警察の一部要員に支給されていることが明らかになったと専門家パネルが指摘した。

 同国の兵士と警官によれば、これらの拳銃は2014年に北朝鮮の教官約30人が同国で大統領警護隊や特別警察部隊の訓練を行った際に支給されたという。

 コンゴをめぐっては過去に米政府が、北朝鮮など国際社会から孤立している国々との関係を縮小したと指摘していた。

 コンゴ政府は反政府勢力を弾圧し次の大統領選の先送りを模索しているとして、国際社会から批判されている。カビラ大統領の任期は今年12月までだが、鉱物資源が豊富な同国の憲法裁判所は先日、任期満了までに大統領選が実施されない場合は大統領の任期延長を認める判断を下した。(c)AFP