米黒人少年射殺の拳銃、入札額さらに高騰 70億円超え
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【5月14日 AFP】米フロリダ(Florida)州で2012年に黒人少年が自警団員に射殺された事件で、この自警団員が競売サイトに出品した拳銃の入札額が13日までに6500万ドル(約70億6000万円)を超えた。入札者の多くはいたずら心から物議を醸している競売に参加し入札額を天文学的な数字につり上げているとみられる。
事件は2012年、黒人少年のトレイボン・マーティン(Trayvon Martin)さん(当時17)が武器を所持していなかったにもかかわらず、自警団員だったジョージ・ジマーマン(George Zimmerman)氏(32)に射殺されたもの。ジマーマン氏は正当防衛だったとしているが、マーティンさんの遺族や友人らは人種差別による殺人だったと主張。ジマーマン氏は殺人罪で起訴されたが裁判では無罪評決が下され、米国社会における人種間の深い亀裂が浮き彫りになった。
この事件でマーティンさんを撃ったケルテック(Kel-Tec)社の9ミリ拳銃をジマーマン氏が12日、銃愛好家団体「ユナイテッド・ガン・グループ(United Gun Group)」の競売サイトに出品。最低落札価格は5000ドル(約54万円)に設定された。中古品の銃としては破格の値段だが、出品から24時間もしないうちに1019人が入札。入札締め切りまで4日を残した13日朝までに入札額は6503万9000ドル(約70億6300万円)にまで高騰した。
この競売についてマーティンさんの遺族の弁護士は、「この銃は子どもの命を奪った銃で、彼(ジマーマン氏)はそれで金を儲けようとしている」とし、「侮辱的だ」と非難している。(c)AFP/Olivia HAMPTON