【5月14日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は13日、年次総会でコソボとジブラルタルの加盟を認めた。これにより両地域は、2018年のロシアW杯(2018 World Cup)予選に出場することが可能になった。

 コソボとジブラルタルは、メキシコ市(Mexico City)で開催されたFIFAの年次総会で210、211番目の加盟が認められた。コソボの加盟は賛成141票、反対23票で承認されたが、以前から承認を反対していたセルビアサッカー協会(FSS)側はこれを不服として、法的措置を取ることを明かしている。

 コソボは先日、欧州サッカー連盟(UEFA)への加盟も認められており、コソボサッカー連盟(FFK)のファディル・ボクリ(Fadil Vokrri)会長は、「今回の決定に心から感謝している。この地域は今も歴史の恐怖にさいなまれているが、サッカーはコソボの地域社会により良い生活をもたらすだろう」と語った。

 コソボの加盟承認により、スイス代表のシェルダン・シャキリ(Xherdan Shaqiri)をはじめとするコソボ出身の選手が、これからコソボ代表を選択することが可能になるのかという議論を呼んでいる。これまで二重国籍の選手は、片方の国の代表でプレーした場合、もう片方の国の代表選手にはなれなかったが、FIFAはコソボのケースでは選手のそれぞれの事情を考慮して対応するとしている。 

 一方、ジブラルタルのケースでは、FIFAは当初、総会での加盟投票に否定的だったが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は、英国領でスペインも領有権を主張する地域の加盟について投票を行うようFIFAに命じた。今回の投票では93パーセントがジブラルタルの加盟賛成に票を投じている。

 ジブラルタルのファビアン・ピカルド(Fabian Picardo)首相は、地元紙ジブラルタル・クロニクル(Gibraltar Chronicle)に対し、「ジブラルタル全国民でこの決定を祝福したい」とコメント。「ジブラルタルのサッカー界に対する長年の努力が認められた」と話している。

 スペインは1713年にジブラルタルを英国に譲渡しているが、領有権はスペインに戻されるべきだと長年主張しており、英国はジブラルタル国民の意思に反するとしてこれを拒み続けている。(c)AFP