【5月14日 AFP】顔や体に非常に濃い体毛が生え、「おおかみ男症候群」とも呼ばれるまれな病気にかかったバングラデシュ人の少女(12)の家族が、娘に普通の生活を送らせたいとして外科手術の資金を集めようとしている。

 多毛症として知られるバイアーズ・ユルキェビッチ(Byars-Jurkiewicz)症候群の合併症に苦しむビティ・アクタル(Bithi Akhtar)さんの母親、ビューティー・ベーグム(Beauty Begum)さんはAFPの取材に、「娘は生まれたときから体中に毛が生えていましたが、成長するにつれて抜けていくと思っていました」と話した。

 アクタルさんはこの病気のせいで、歯が隠れるほど歯茎がはれ、さらに胸が肥大化して体重38キロの体のうちほぼ半分の重さを占めるほどになり、学校に行くことはおろか、立ち上がることもできないという。

「娘がこんな風に生まれてきたのも神のおぼしめしだと思ってきましたが、苦しみに耐える娘をこれ以上見ていられないのです」とベーグムさんは語った。

 ボンゴボンドゥ・シェイク・ムジブ医科大学(Bangabandhu Sheikh Mujib Medical University)の主治医によれば、アクタルさんと全く同じ症状の患者は世界に4~5人しかいないとみられるという。

 家族が、治療費を工面するためアクタルさんの苦しみを多くの人に知ってもらおうと働き掛けているのは、医師らから、外科手術によってアクタルさんの生活の質は大幅に改善される見込みがあると説明を受けたためだ。