【5月13日 AFP】中国の裁判所が13日、殺人罪で有罪となり20年以上拘禁された後、無罪判決が言い渡されて釈放された男性に、約275万元（約4600万円）以上の賠償金を支払うと発表した。国営テレビが報じた。

　50代前半のチェン・マン（Chen Man）さんは、中国南部・海南（Hainan）省で起きた殺人をめぐり、1994年11月に執行猶予付きの死刑判決を言い渡された。裁判は最高裁まで争われ、今年2月に「証拠不十分」により無罪判決が確定し、チェンさんは釈放された。

　この裁判は、中国の司法における誤審を明るみに出すものとして、注目を集めていた。中国の裁判所は中国共産党の統制下にあり、自白の強要がまん延し、起訴された被告の99％以上が有罪判決を受けている。

　国営の中国中央テレビ（CCTV）によると、1999年に一審の死刑判決を支持した海南省の裁判所は13日、チェンさんの自由を奪ったこと、およびチェンさんに与えた精神的苦痛への賠償として、約275万元を支払うことで合意したという。

　チェンさんは当初、賠償金966万元（約1億6000万円）以上と、地元および全国メディアでの裁判所による正式な謝罪を要求していた。国営メディアによると、無罪が確定して釈放された人々のうち、チェンさんは近年で最も長い期間拘禁されていた人物だったという。(c)AFP