【5月13日 AFP】米国の鶏肉加工場の生産ラインで働く従業員たちが、日常的にトイレ休憩を拒まれ、おむつの着用を余儀なくされているとする調査結果が発表された。

 貧困撲滅に取り組む国際NGO「オックスファム(Oxfam)」の米国支部が10日に公表した報告書によると、鶏肉加工産業に従事する25万人の「大多数」が、トイレに行く許可を求めても、一笑に付されたり、無視されたり、解雇すると脅されたりしているという。

 報告書は従業員らが「人としての生理的欲求を拒否され、おむつを着用し立ったままの排尿や排便を余儀なくされている」と指摘。結果、従業員たちは極度に水分摂取を控え、苦痛と不快感に耐えているうえに、深厚な健康被害の危険にさらされているという。

 匿名聞き取り調査の対象となったのは、タイソン・フーズ(Tyson Foods)、パーデュー・ファームズ(Perdue Farms)、ピルグリムズ・プライド(Pilgrim's Pride)、サンダーソン・ファームズ(Sanderson Farms)の大手4社の工場に勤務する従業員ら。この4社で鶏肉加工産業の60%を占める10万人を雇用している。

 報告を受けタイソン・フーズは、自社工場では「トイレ使用の希望を却下することは容認していない」としたうえで、規則が実際に順守されているかどうか確認中だと述べている。(c)AFP