【5月13日 AFP】フランス国民議会(下院)は12日、同国で論争を巻き起こしている労働法改正法案を強制通過させた社会党(PS)内閣に対し、不信任決議案の採決を行った。窮地に立たされた同内閣だったが、この決議案は否決された。

 中道右派の野党・共和党が提出した内閣不信任動議は、賛成246票を得たものの、内閣を退陣させるのに必要となる288票には届かなかった。労働法改正法案は今後、上院で審議される。

 同日には、政府が2か月前に同法案を提出して以来、定期的にデモを行ってきた労働組合や学生団体が、首都パリ(Paris)をはじめ、マルセイユ(Marseille)、ナント(Nantes)、トゥールーズ(Toulouse)などの各都市で抗議行動を起こした。

 パリのデモでは、機動隊が去った直後に覆面姿の若者らがデモ隊や報道陣と衝突するという暴力行為も発生した。ナントの駅では窓や広告板が壊され、またルアーブル(Le Havre)では社会党事務所が荒らされた。

 パリでのデモ参加者について、同国最大の労働組合連合「フランス労働総同盟(CGT)」は5万人と発表したが、警察は1万2500人程度だったとしている。(c)AFP/Guy JACKSON