【5月12日 AFP】イタリア下院は11日、同性カップルに対し結婚に準じた法的権利を与えるシビル・ユニオン法の導入を承認した。同国は、欧州で同性愛関係を法的に認めていない最後の主要国だった。同法導入に向けた取り組みは、主にローマ・カトリック教会の反対により難航していた。

　下院は同日、この問題をめぐる信任投票を実施。結果、賛成369反対193で政府は信任され、シビル・ユニオン法案は承認された。

　信任投票は、法案を支持するマッテオ・レンツィ（Matteo Renzi）首相が、自党内の造反者やカトリック教会の右派勢力などの反対派による土壇場の妨害を避けるために決断。同首相は法案が承認されたことを受け、「今日は大勢の人々にとって祝福の日だ」とフェイスブック（Facebook）に投稿した。

　賛否両論を巻き起こしてきた同法は、画期的な進展と歓迎されている。だが一方で、同性カップルの養子縁組や婚姻を認めていないことに対し、批判の声も上がっている。

　反対派は、同法撤廃を狙った国民投票の実施を目指す構えを見せているが、同法案を起草した一人であるモニカ・チリーナ（Monica Cirinna）上院議員は、こうした動きを一蹴。シビル・ユニオン法の導入決定により、同性婚合法化に弾みがついたと述べた。同国初のシビル・ユニオン挙式は遅くとも9月までに行われる見込みだという。

　政府は2月、上院で同法案を同様の信任投票にかけ承認させることに成功したが、その際、同性カップルの片方がパートナーの実子を養子にできるとした条項は削除された。だが、養子縁組は全面的に禁じられるわけではなく、裁判所が個別の事例を判断していくことになる。(c)AFP/Ella IDE Angus MacKinnon