【5月11日 AFP】紛争のために自国内での避難を余儀なくされている人の数が昨年、世界全体で史上最多の4080万人に達したことが、スイス・ジュネーブ(Geneva)に本部を置く研究機関「国内避難民監視センター(IDMC)」が11日に発表した報告書で明らかになった。

 同センターを運営する非政府組織(NGO)「ノルウェー難民委員会(NRC)」のヤン・エーゲラン(Jan Egeland)事務局長によると、紛争による国内避難民(IDP)の数は、国外に逃れた難民の2倍となっている。

 紛争による国内避難民は2015年に約860万人増加。うち480万人は、中東と北アフリカの人々だった。

 報告書は、国内避難民の数が2010年の「アラブの春」やイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の台頭以降、「雪だるま式に」増加したと指摘。うち半分以上をイエメン、シリア、イラクが占めているという。

 中東以外で避難民の数が多かった国は、アフガニスタン、中央アフリカ、コロンビア、コンゴ、ナイジェリア、南スーダン、ウクライナだった。

 一方、昨年に自然災害により国内避難民となった人の数は1920万人だった。上位3か国はインド、中国、ネパールで、それぞれ370万人、360万人、260万人が国内避難を強いられたという。(c)AFP