バングラデシュ、イスラム政党党首の死刑執行 緊張激化の恐れ
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【5月11日 AFP】バングラデシュで10日、同国最大のイスラム政党「イスラム協会(JI)」党首で、戦争犯罪により死刑を言い渡されていたモティウル・ラーマン・ニザミ(Motiur Rahman Nizami)死刑囚(73)の刑が執行された。当局が発表した。イスラム教徒が多数を占める同国で、緊張が高まる恐れがある。
ニザミ死刑囚は首都ダッカ(Dhaka)にある刑務所で絞首刑に処された。1971年、パキスタンからの独立戦争時の残虐行為で死刑を言い渡されていた。
同国ではこのところ、世俗主義・リベラル派の活動家や少数宗教の信者らがイスラム過激派とみられる人物に殺害される事件が相次いでいるが、今回の死刑執行により、新たな暴力行為の波に見舞われるのではという懸念が生じている。
2013年、JI幹部が戦争犯罪で有罪判決を受けた際にも、過去数十年間で最悪規模の暴力行為が発生。イスラム主義者らと警察との衝突などにより約500人が死亡し、数千人が逮捕された。
同年12月以降に戦争犯罪に問われ死刑に処された野党指導者は、ニザミ死刑囚で5人目(JIでは4人目)となったが、中でも同死刑囚は最高位。これら被告の裁判については、世界中から批判が集まっている。(c)AFP