【5月10日 AFP】米大統領選で共和党の候補指名獲得を確実にした不動産王のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は、大統領になればイスラム教徒の入国を禁止すると主張していたが、英ロンドン(London)の市長にイスラム教徒のサディク・カーン(Sadiq Khan)氏が就任したことを受け、「常に例外はある」として同氏の米訪問を拒まない意向を示した。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)のインタビューで語った。

 トランプ氏は昨年12月、カリフォルニア(California)州サンバーナーディーノ(San Bernardino)で14人が死亡した銃乱射事件の数日後、イスラム教徒の米国への入国を禁止する姿勢を打ち出した。

 これに対し、7日にロンドン市長に就任したカーン氏は、11月の米大統領選でトランプ氏が当選すれば、米国を訪問できないかもしれないと懸念を表明していた。カーン氏はパキスタン移民の子で、ロンドン初のイスラム教徒の市長となった。

 移民やイスラム教徒、女性を侮辱する発言で多くの米国人の気持ちを遠ざけたトランプ氏だが、9日にニューヨーク・タイムズに掲載されたインタビューでは「例外は常にある」と述べてカーン氏の当選を歓迎。トランプ氏は「こういう事を目にできてうれしい。非常に良いことだと思うし、ぜひともいい仕事をしてほしい。率直に言って非常にいいことだからだ」と語った。

 一方、カーン氏は米誌タイム(Time)とのインタビューで「ドナルド・トランプの政治手法」が勝利することはないと述べたことがある。(c)AFP