【5月10日 AFP】約2年前、武器を持っていなかった黒人青年が白人警官に射殺される事件が起きた米中西部ミズーリ(Missouri)州ファーガソン(Ferguson)で9日、アフリカ系米国人が警察署長に就任した。

 地域における警察活動の専門家とされるマイアミ(Miami)警察のベテラン、デルリッシュ・モス(Delrish Moss)氏(51)は、当局に対する地域の信頼を取り戻すべく同地に赴いた。

 2014年にファーガソン市で起きたマイケル・ブラウン(Michael Brown)さんの射殺事件では、数週間にわたって抗議行動が続き、ときに暴徒化。人種問題と米警察当局の対応をめぐり、全米で議論を巻き起こした。

 米連邦当局の調査により、同州セントルイス(St. Louis)の郊外に位置するファーガソン市では定型化した人種差別がまん延し、憲法上の市民の権利が侵害されている事例が複数認められた。このため同市は、市警組織と裁判所の改革を迫られていた。

 モス氏は、住民の3分の2をアフリカ系米国人が占めながら、署員の大半を白人が占める同市警に多様性をもたらすことを約束した。(c)AFP