ターナーの捕鯨絵画4点、米メトロポリタン美術館で一堂に
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【5月10日 AFP】米ニューヨーク(New York)のメトロポリタン美術館(Metropolitan Museum of Art)で10日、英国の画家ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(JMW Turner)が描いた、18~19世紀の商業捕鯨の絵画作品4点の展示が始まる。これらの作品をめぐっては、米国の小説家ハーマン・メルビル(Herman Melville)の小説「白鯨(Moby Dick)」との関連が指摘されている。
メトロポリタン美術館の学芸員によると、これら4作品が一堂に会するのは今回が初めてだという。1作品は同美術館所蔵だが、残る3作品は英国からの貸し出しだ。
海は、ターナーが好んだ題材の一つ。今回展示される作品では、ランプ用のオイルを抽出するために商業捕鯨が行われていた当時の海の様子が捉えられている。
当時の商業捕鯨にインスパイアされた作家は、ターナーの他にもいる。小説「白鯨」を書いたメルビルもその一人だ。「白鯨」では、自身の片脚を食いちぎった白い鯨を探し出して対峙することに執念を燃やす船長の姿を描いている。
今回の展示では、ターナー絵画のメルビルへの影響について考察する上でまたとない機会となる。「白鯨」が出版されたのは、ターナーが死去した1851年だ。
同美術館は、「メルビルの小説のさまざまな側面が、ターナーの画風を驚くほど思い起こさせる」と公式ウェブサイトでコメントしている。(c)AFP/Mariano Andrade