【5月9日 AFP】男子テニス界で問題児のレッテルを貼られているバーナード・トミック(Bernard Tomic、オーストラリア)が、8日に開幕したイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2016)の初戦を、わずか8分で棄権した。この結果、対戦相手のブノワ・ペール(Benoit Paire、フランス)が2回戦に駒を進めている。

 トミックは、第1セットを2-1でリードしていたものの、メディカルタイムアウトを要求し、体調不良を理由に棄権した。しかし、その詳細は明かされていない。

 世界ランク22位のトミックは先日、マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2016)の初戦でファビオ・フォニーニ(Fabio Fognini、イタリア)にマッチポイントを握られると、相手のサーブを受ける際にラケットを上下逆に持って、リターンするそぶりすら見せないという問題行動を取っていた。

 試合後の会見でもまったく反省する様子がなかったトミックは、さらに事態を悪化させるように「あんなマッチポイント、どうでも良かった」と発言。「考えてもみなよ。23歳にして1000万ドル(約11億円)以上の価値がある選手が、あんなポイントをいちいち気にすると思う?」と、まくし立てた。

 7日には、リオデジャネイロ五輪のオーストラリア代表チームが、トミックとニック・キリオス(Nick Kyrgios)に対して、問題行動が代表選考に影響する可能性もあると警告した。

 オーストラリア選手団のキティ・チラー(Kitty Chiller)団長は、マドリード(Madrid)でのトミックの行動は「あきれるほどひどい」と話している。

 トミックは、今季のクレーコート大会でわずか1勝しかできておらず、2週間後に開幕する全仏オープン(French Open 2016)に向けて、不安が募る。(c)AFP