【5月6日 AFP】イタリアの高級ファッションブランド「グッチ(GUCCI)」は6日、同ブランドの製品に似せた紙製の商品を販売していた香港(Hong Kong)の複数の葬儀用品店に警告を発していたことについて、謝罪を表明した。

 香港では、死者が死後の世界で欲しいとおもわれるものの複製品を紙で作り、葬儀で燃やす慣習がある。紙製の複製品は、靴下や入れ歯などの日用品から、自動車やスマートフォン(多機能携帯電話)、ブランド物のハンドバッグなどの高級品まで、さまざまだ。

 グッチは先月、複数の葬儀用品店に対し、グッチのロゴを模した紙製の複製品がグッチの商標権を侵害しているとして、販売を中止するよう求める書面を送付した。これに対し、一部の店や顧客から、グッチは無害な慣習に口出しをしているとして非難の声が上がっていた。

 これを受けてグッチは6日、「誤解を生じさせたことを後悔しており、われわれの行動によって傷つけられた恐れのある人々に対して、心からのおわびを申し上げます」と述べた。

 グッチは声明で、葬儀の慣習に対して「最大の敬意」を払っていると述べ、「葬儀用品店にはグッチの商標権を侵害する意図はなかったと信じている。そのため、法的手段に出ることや賠償の要求などをわれわれは一切持ち掛けなかった」と付け加えた。

 今後も葬儀用品店に対して紙製の複製品の撤去を要求し続けるかどうかについては、グッチの声明は触れていない。だが情報筋によると、書面を送付された6店のうちの大半が、グッチに似せた紙製の商品の販売中止に合意したという。(c)AFP