【5月5日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は4日、水道水の鉛汚染が問題となっている米北部ミシガン(Michigan)州フリント(Flint)を訪れ、浄水器を使えば安全だとして、ろ過したコップ1杯の水道水を飲んでみせた。その上で、「小さな政府が何よりも素晴らしいと信じる」共和党の態度が「大きな政府」を「腐食」したことが問題の背景にあると批判した。

 フリント市の水道水汚染では子ども8000人以上が汚染された水道水を飲んだとされ、2016年米大統領選の主要議題の一つとなっている。民主党と共和党は、責任の所在や地方自治体・連邦政府が果たすべき役割の大きさをめぐって攻防戦を繰り広げている。

 財政難に苦しむフリント市では2014年、コスト削減対策の一環として共和党のリック・スナイダー(Rick Snyder)州知事が、市の水道水の水源をデトロイト川(Detroit River)からフリント川(Flint River)に変更。その後、水道水の鉛汚染が始まった。

 専門家は、化学物質を含んだフリント川の水が鉛製の水道管を腐食し、上水道の汚染につながったとみている。スナイダー知事は辞任を求める声に応じていない。(c)AFP