【5月5日 AFP】大きな目に、優しいほほ笑み、うっすらと生え始めたひげ、キックボクサーになりたいという男の子らしい夢──モヒブラ(Mohibullah)君(15)は一見、アフガニスタンでよく見るごく普通の少年に見える。だが彼は、同国の旧支配勢力タリバン(Taliban)によって自爆犯になるようそそのかされ、現在少年刑務所に収監されている。

 家出していたモヒブラ君は2014年、地区長の庁舎前で自爆する寸前に取り押さえられ、南部カンダハル(Kandahar)市の少年刑務所に送られた。

 殉死すれば、純潔の乙女らとミルクや蜂蜜が湧く湖が待つ楽園へ行けると教えられた──モヒブラ君はこう語ると、目に涙を浮かべた。

 モヒブラ君は、指導役らに「自爆ベストを爆発させても、痛みは全く感じない。君はすぐに天国に行ける」と教え込まれたと語った。

 緑色のビニール製上着を着て、カンダハル特産の刺しゅう入り帽子をかぶり、落ち着かない様子で看守室の椅子に浅く腰掛けたモヒブラ君。彼の身に起こったことは、アフガニスタンの紛争が子どもを巻き込む隠れた戦いを派生させているという、懸念すべき事実を物語っている。

 指導役たちは、標的とする要人5人の中から1人を選ぶよう、モヒブラ君に命じた。彼は、攻撃しやすそうに思えたカンダハル州アルガンダブ(Arghandab)地区の首長を選んだ。

 抱擁を受け、花冠をかぶせられ、死後の永遠の命を約束されたモヒブラ君は、何人ものメンバーの仲介を経て、車の後ろでいくつもの夜を明かし、アルガンダブまでの迂回(うかい)路を進んだ。だがモヒブラ君は、計画を察知した当局によって、標的に到達する前に拘束され、少年刑務所での禁錮4年の刑が言い渡された。