ロシアの愛国バイク集団、ポーランドが入国拒否
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【5月2日 AFP】第2次世界大戦(World War II)での旧ソ連の対独戦勝71周年を祝うべく独ベルリン(Berlin)へ向かっていたロシアの愛国主義的なバイク集団「ナチヌイエ・ボルキ(夜の狼たち、Night Wolves)」のメンバーらが1日、経由地のポーランドで入国を拒否された。当局が明らかにした。
ポーランドの国境警備隊によると、入国を拒否されたのは、同集団に所属するスロバキア人4人、ドイツ人2人にロシア人1人の計7人のバイカー。ベラルーシ・ブレスト(Brest)とポーランド・テレスポル(Terespol)との間の国境で、「治安」上の問題を理由に引き返すよう命じられたという。
7人は、別の国境地点を越えてポーランドに入国した他のロシア人メンバーや、ポーランド国内で同行する予定の同国人バイカー数十人と合流する予定だった。
ポーランド政府は先月29日、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領に忠誠を誓う同集団のメンバーが含まれている可能性があるとして、ベルリンへ向かうロシア人バイカーらのポーランド通過を禁止していた。同集団は、ロシアとポーランドの関係が悪化した昨年もポーランド入国を拒否されている。
ロシア外務省は先週、露バイカーの入国禁止措置を「悪意ある侮蔑的な態度」と非難。「欧州をファシズムから解放するために命をささげたソ連兵を、ロシアの市民グループが追悼することを妨害する」のが狙いだと主張した。
ロシア当局は、2010年にポーランドのレフ・カチンスキ(Lech Kaczynski)大統領(当時)夫妻を乗せた政府専用機が墜落したロシア西部スモレンスク(Smolensk)で、ポーランドが4月に追悼式典を行うのを許可していただけに、今回の措置は「特に言語道断」だとしている。
ナチヌイエ・ボルキの創設は、ソビエト連邦が崩壊する直前の1989年。ロシアや旧ソ連構成国に計5000人程のメンバーがおり、ウクライナの分離派が支配する東部ルガンスク(Lugansk)州や、2014年3月にロシアが併合した南部クリミア(Crimea)半島にも出没。ウクライナの親ロシア派武装勢力に加わるメンバーもいる。(c)AFP