アフガン病院誤爆、米兵は戦争犯罪に問わず 中央軍トップ
このニュースをシェア
【4月30日 AFP】アフガニスタン北部クンドゥズ(Kunduz)で昨年、米軍が国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」が運営していた病院を誤爆し、42人が死亡した問題で、米中央軍(US Central Command)のジョセフ・ボテル(Joseph Votel)司令官は29日、爆撃を行った米兵が戦争犯罪で訴追されることはないと明言した。
この問題は世界中で怒りを招き、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領がアフガン駐留米軍を代表して謝罪に追い込まれる異例の事態となった。
だがボテル司令官は当該部隊について、調査から戦闘のストレスを受ける中で一連の誤りを犯し、病院を誤爆してしまったことが分かったと述べ、そのため戦争犯罪には当たらないと主張した。任務を怠ったと判断された兵士16人については、軍法会議ではなく停職や懲戒といった処分を受けることになるという。
ボテル司令官によると、一部の兵士については交戦規則や武力紛争法の違反が認められたという。ただ、誤爆自体は調査で「人為的ミスやプロセス上のミス、装置の不具合が重なって起きたもので、さらに、兵士たちは当時、誰一人として病院を爆撃していることを知らなかった」ことが分かったとした。
一方、こうした説明にMSF側は全く納得していない。MSFはこれまで病院の誤爆は犯罪だと強く非難し、国際的な調査も繰り返し要求してきた。
MSFのマイネ・ニコライ(Meinie Nicolai)会長は、病院に対する攻撃を犯罪と見なすかどうかの基準を兵士の故意に求めるべきではないと訴えた。またアフガニスタン人の被害者には米軍に対する法的手段がないことも遺憾とした。
ニコライ氏はさらに「(米軍側の)説明責任の欠如は、紛争当事者に気がかりなシグナルを送る形になっている。今後、戦争における規則違反の抑止につながることも期待できない」と批判した。(c)AFP/Dave Clark