【4月29日 AFP】日本最南端の沖ノ鳥島周辺で、台湾漁船が違法操業で日本側に拿捕（だほ）された問題で、台湾の林永楽（Lin Yung-lo）外交部長（外相）は29日、日本の対台湾窓口である「交流協会」の沼田幹男（Mikio Numata）台北事務所代表（大使に相当）を呼んで抗議した。

　台湾の漁船「東聖吉16号（Tung Sheng Chi 16）」（50トン）は25日、沖ノ鳥島沖約150カイリの海域で、海上保安庁の船に数時間にわたって追跡された後、拿捕された。

　台湾当局は、日本には該当海域の管轄権がないと抗議し、漁船と乗組員10人の解放を要求。乗組員たちは後に釈放されたものの、台湾外交部の声明によると、日本側が要求する担保金600万円を支払った後の釈放だったため、日台の緊張関係が続いているという。

　沼田代表を呼んで抗議した台湾の林外交部長は、記者団に対し「沖ノ鳥島周辺の日本の排他的経済水域（EEZ）をわれわれが認めたことは一度もなく、日本には漁船を拿捕する権利がないと、日本側に対して伝えた」と語った。(c)AFP