水道工事現場から古代ローマの硬貨、総重量600キロ スペイン
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【4月29日 AFP】スペイン南部で、水道管の工事に当たっていた作業員らが、総重量600キロに及ぶ古代ローマ時代の硬貨を発見した。地元当局が28日、発表した。
同国セビリア(Seville)にある考古学博物館のアナ・ナバロ(Ana Navarro)館長は、記者会見で「これらは極めて珍しく、同様の発見事例はほとんど存在しない」と見つかった硬貨についてコメントしている。同博物館は、これらの硬貨の管理に当たっている。
3世紀後期から4世紀初頭の時代のものとみられるこれらの青銅貨は、セビリア近郊の町トマレス(Tomares)で27日に、アンフォラ型のつぼに入った状態で発見された。
ナバロ館長は、見つかった硬貨の価値について正確な推計を明示しなかったが、「間違いなく数百万ユーロ」に相当するとしている。
古代ローマ皇帝のマクシミアヌス(Maximianus)とコンスタンティヌス(Constantine)の像が刻まれたこれらの硬貨には、摩耗や損傷の形跡がほとんどみられないことから、流通した貨幣ではないと思われる。またこれらの硬貨は、当時の軍隊や文官らに給与を支払うために用意されたものだったと考えられるという。
ナバロ館長は、「大半が新たに鋳造されたもので、一部はただの青銅ではなく、銀メッキが施されていた可能性が高い」としている。
地元当局は、水道管工事を一時中断。近く、当地で考古学的な発掘調査を実施する計画だ。
紀元前218年から5世紀初頭に西ゴート族に敗れるまで、ローマはイベリア半島(Iberian Peninsula)を支配した。(c)AFP