【4月28日 AFP】北朝鮮は27日、中国国内のレストランから韓国の諜報機関によって拉致されたと主張している、北朝鮮人の女性従業員の両親のビデオ映像を公開した。両親は涙ながらに娘を帰すように訴えている。

「ソ・ギョンア(So Gyong-A)」とされるこの女性は今月、店の支配人と共に韓国に到着した女性従業員12人のうちの一人。動画は北朝鮮側の宣伝サイト「わが民族同士(Uriminzokkiri)」で公開された。

 北朝鮮側は12人について、支配人にだまされて韓国に亡命したと主張。韓国の諜報機関との共謀による事実上の拉致だったとしている。

 一方、韓国側は全員が自分の意志で脱北したと説明している。

 映像では、女性の父親が、韓国の朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領と「その一味が娘をそそのかして拉致した」と強く非難。「ギョンアよ、元帥様(金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記)の懐に戻るまで、強く抵抗しなさい」と泣き叫んでいる。

 母親も涙を流しながら朴大統領を「悪魔」とののしっている。

 動画は「拉致された少女たちの家族インタビュー」と名付けられている。シリアル番号が「1」とされていることから、北朝鮮は今後、同様の動画を公開する可能性が高い。(c)AFP