【4月28日 AFP】米カリフォルニア(California)州のロサンゼルス(Los Angeles)とサンフランシスコ(San Francisco)の警官らが、人種差別的で同性愛を嫌悪する内容の電子メールやテキストメッセージを交わしていたことが明らかになり、非難を浴びている。警官らはメールの中でマイノリティー(少数派)の人々を「野蛮人」「野獣」などと呼んでいた。

 サンフランシスコ市当局によると、同市警では問題発覚後に警官3人が辞職し、4人目が懲戒処分の対象になっているという。

 26日に記者会見したサンフランシスコ市の公選弁護人、ジェフ・アダチ(Jeff Adachi)氏は、辞職した3人の間で交わされたテキストメッセージの詳細を公表。3件の殺人を含む少なくとも207件の事件に影響する可能性があると述べた。

 メッセージの中で、元警官らは黒人に対し「Nワード」(ニガーなどの差別語)を使用していたほか、アラブ系の人々を「ぼろ切れ頭」などと表していた。一連の差別的なメッセージは、3人のうちの1人に対する強姦容疑の捜査過程で見つかったという。この元警官は、あるメッセージの中で黒人について「野蛮人」「解き放たれた野獣の群れ」も同然だなどと記していた。

「市民のために尽くすと誓った警官が、これほど無頓着に市民の人間性を攻撃するなど、恐ろしいことだ」とアダチ氏は述べた。

■「冗談」と釈明

 一方のロサンゼルスでは、同郡保安局のトム・エンジェル(Tom Angel)首席補佐官が、近郊バーバンク(Burbank)警察の副署長を務めていた2012~13年に黒人やヒスパニック系、女性を侮辱する内容のメールを転送したとして批判の的となっている。

 米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)の取材に応じたエンジェル氏は、仕事上のメールが公になったことは不運だったと述べ、「職場の誰もが時々、不幸にも、恐らく転送すべきではないメールを転送してしまう」「誰かを傷つけたなら謝る。だが、こうした冗談が一般の人々の目に触れることは想定していなかった」と釈明した。(c)AFP