【4月28日 AFP】昨年11月に起きたパリ(Paris)同時テロ事件のサラ・アブデスラム(Salah Abdeslam)容疑者の身柄が27日、ベルギーからフランスへ引き渡された。

 モロッコ系フランス人のアブデスラム容疑者はベルギーで育ち、パリ同時テロ事件犯行グループの唯一の生存者とされている。先月ベルギーで身柄を拘束された同容疑者は27日朝、ヘリコプターでフランスへ運ばれて正式に逮捕された後、パリの裁判所で数時間を過ごした。

 アブデスラム容疑者の弁護士によると、同容疑者は殺人、テロ組織とのつながり、武器および爆発物の所持、90人が死亡した劇場「バタクラン(Bataclan)」での不法監禁の容疑が持たれている。

 弁護士によると、5月20日にも同容疑者の審問が予定されている。アブデスラム容疑者はパリ郊外フリューリーメロジ(Fleury-Merogis)の刑事施設に勾留されている。

 ジャンジャック・ウルボアス(Jean-Jacques Urvoas)法相は、同容疑者は隔離され、危険な被収容者の扱いに熟練した「鍛え抜かれた警備員」によって監視されると語った。

 アブデスラム容疑者は、欧州の最重要指名手配犯として4か月に及ぶ逃走の末、3月18日にブリュッセル(Brussels)で拘束された。

 検察当局は、同容疑者はパリ同時テロ事件で犯人グループが使用したレンタカーとホテルを借りており、後方支援担当だったと考えている。(c)AFP/Fran BLANDY