プリンスさん「遺書なし」、妹が裁判所に証言
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【4月27日 AFP】21日に急逝した米歌手プリンス(Prince)さんは遺書を残していなかったと、妹のタイカ・ネルソン(Tyka Nelson)さんが26日明らかにした。ネルソンさんは裁判所に対し、プリンスさんの莫大な遺産を管理する特別遺産管理人の任命を要請している。
ミネソタ(Minnesota)州カーバー(Carver)郡地方裁判所に提出した書類にネルソンさんは、「故人には、この申立書に記載されている以外に、存命の配偶者、子、親、兄弟姉妹、またはすでに死去した兄弟姉妹の子もいない」と表明した上で、「その存在を把握している遺言もなく、また故人が何らかの形で遺志を文書化していると信じる根拠もない」としている。
プリンスさんは21日、同州ミネアポリス(Minneapolis)にある自宅兼スタジオの「ペイズリー・パーク(Paisley Park)」で57歳で死去した。死因はいまだ公表されていない。
遺産の規模も不明だが、米メディアは複数所有している不動産だけでも推定で2700万ドル(約30億円)の価値があると報じている。
またプリンスさんは何十年にもわたって書きためてきた膨大な未発表曲を収めた伝説の保管室を持っていたことでも知られ、突然の死によりこれらの曲がどのような運命をたどるのかも不透明だ。
プリンスさんには、ネルソンさん以外に存命の兄弟姉妹はいない。2度結婚したが、いずれも離婚に終わっている。息子を1人授かったものの、ファイファー症候群というまれな遺伝性疾患が原因で、誕生から数日後に他界している。
ネルソンさんは同地裁に対し、ブレマー信託(Bremer Trust)を遺産管理の担当会社に任命するよう要請している。申立書には、同信託の親会社のブレマー銀行(Bremer Bank)とプリンスさんとの間で「長年にわたって」取引があったと記されている。(c)AFP