【4月25日 AFP】米大統領選の共和党候補指名争いで首位を走るドナルド・トランプ(Donald Trump)氏と同氏の選挙陣営は24日、米国の有権者を欺いているイカサマ政治家だとする党内ライバル候補と民主党からの批判に反撃した。

 トランプ氏をめぐっては21日、選挙参謀役として新たに陣営に加わったポール・マナフォート(Paul Manafort)氏が共和党重鎮との非公開会合で語った内容が漏えいし、強い批判が噴出していた。マナフォート氏は、トランプ氏が支持者らの前で「役」を演じており、その役はより真面目で政策に特化したものへと「進化」しつつあると述べていた。

 これに対し、共和党指名争い2位のテッド・クルーズ(Ted Cruz)上院議員は報道陣に、トランプ氏は「うそつき」で、保守派を装って「信じやすい有権者をだましている」と批判。また、民主党全国委員会(Democratic National Committee)のデビー・ワッサーマン・シュルツ(Debbie Wasserman Shultz)委員長も24日のFOXニュース(Fox News)の番組で「要するに、米大統領選のイカサマ候補だ」と切り捨てた。

 一方、マナフォート氏もFOXニュースに出演し、米国人が目にしているのは「選挙戦モードで人々に語り掛ける本当のトランプ氏」であり、誰かを欺こうなどという意図はトランプ氏にはみじんもないと主張。「進化しているのは候補ではなく選挙運動だ。背景も変わり始めている」などと述べて、自身の発言が巻き起こした論争の火消しを試みた。

 トランプ氏自身も23日、「聴衆に応じて」演説の内容を調整していると説明した。(c)AFP/Michael Mathes