【4月25日 AFP】ロンドン・マラソン(London Marathon)が24日、英ロンドン(London)で行われ、男子はエリウド・キプチョゲ(Eliud Kipchoge)、女子はジェミマ・スムゴング(Jemima Sumgong)のケニア勢が優勝を果たし、不祥事に揺れる同国の陸上界に明るい話題を提供した。

 元男子5000メートル王者のキプチョゲは、残り3キロ地点で後続を引き離すと、2014年9月の第41回ベルリン・マラソン(41st Berlin Marathon)でデニス・キメット(Dennis Kimetto、ケニア)が樹立した世界記録にわずか7秒届かなかったものの、大会新記録で世界歴代2位となる2時間3分4秒で連覇を達成した。

 2位にはキプチョゲと同じケニア出身のスタンレー・ビウォット(Stanley Biwott)が入り、中距離の元名選手でエチオピアのケネニサ・ベケレ(Kenenisa Bekele)が3位と続いた。

 一方、女子の部ではスムゴングが2時間22分58秒で大会初制覇を成し遂げた。エチオピアのティギスト・トゥファ(Tigist Tufa)が5秒差の2位に、フローレンス・キプラガト(Florence Kiplagat、ケニア)が2時間23分29秒で3位に入った。

 ボストン・マラソン(Boston Marathon)、シカゴ・マラソン(Bank of America Chicago Marathon)、ニューヨークシティマラソン(New York City Marathon)で2位の実績を持つスムゴングだが、メジャー大会での勝利は、2013年のロッテルダム・マラソン(2013 Rotterdam Marathon)を制して以来となる。

 今大会でケニア勢がアベック優勝を果たしたことは、最近5年間でフルマラソンの選手40人が禁止薬物に陽性反応を示した衝撃に包まれている同国にとって、倫理観を取り戻すきっかけになるとみられている。

 アフリカ東部に位置するケニアでは現在、同国の陸連(AK)が暫定的に資格停止処分を科される可能性に直面しており、リオデジャネイロ五輪に出場できなくなるの回避するため、前週には政府がドーピングを違法とする新しい法案を可決させた。

 ケニアでは現時点において、ドーピングに関与したとされるマラソンのトップ選手は出ていない。(c)AFP