オーストリア大統領選、極右候補が首位 与党、歴史的敗北
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【4月25日 AFP】オーストリアで24日、大統領選挙の第1回投票が行われ、反移民を掲げる極右政党に所属する候補が首位となった。長年にわたり政権を保持してきた連立与党にとって歴史的敗北となった。
中間開票結果では、極右・自由党(FPOe)のノルバート・ホーファー(Norbert Hofer)氏が36%の票を獲得。一方で中道与党の候補者2人は、5月22日の決選投票への出馬に必要な票にも届かなかった。
自由党のハインツクリスティアン・シュトラッヘ(Heinz-Christian Strache)党首は、「これは新たな政治時代の始まりだ」と宣言。投票結果は「歴史的成果」であり、「政府に対する不満の広がり」が明確となったとの見解を示した。
第1回投票により、1945年以降のオーストリアで初めて、ウェルナー・ファイマン(Werner Faymann)首相の社民党(SPOe)や、その連立相手の中道右派・国民党(OeVP)の後ろ盾を受けない大統領が誕生する見込みとなった。
国民党のアンドレアス・コール(Andreas Khol)候補は11%で同列4位となり、社民党のルドルフ・フンドストルファー(Rudolf Hundstorfer)候補と並んだ。
ファイマン首相は選挙結果について、「われわれがより強く協働しなければならないという、政府に対する明らかな警告だ」と表明。ただ、社民党では自身の去就を含む人事変更は予定していないと述べた。
5月22日の決選投票でのホーファー候補の対戦相手には、20%の得票で2位につけている緑の党(Greens)前党首のアレキサンダー・ファン・デア・ベレン(Alexander Van der Bellen)氏が確定する見込み。(c)AFP/Simon STURDEE