「着火する川」フラッキングに警鐘、豪政治家
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【4月24日 AFP】オーストラリア緑の党(Australian Greens)の政治家が、「フラッキング(水圧破砕法)」によって川の水にメタンガスが漏れ出ていると主張して川に火を付けたところ燃え上がり、その様子を写した動画はインターネット上で200万回を超える視聴回数を記録した。
この政治家は、緑の党のジェレミー・バッキンガム(Jeremy Buckingham)議員。クイーンズランド(Queensland)州ブリスベン(Brisbane)の西約220キロにあるコンダマイン川(Condamine River)で、あぶく状になっているメタンガスにキッチンライターで火を付け、その様子をビデオで撮影した。
動画の中で、自分が乗っていたボートの周りに立ち上がった炎に驚き、飛びのくバッキンガム氏。「信じられないことに、川が燃えた。ボートに燃え移りそうだった。マレー・ダーリング流域(Murray-Darling Basin)の悲劇だ」と述べ、近くで行われているフラッキングによる炭層ガス掘削が原因だと非難した。
同氏が22日夜に交流サイト(SNS)フェイスブック(Facebook)の自分のページに投稿したこの動画は、これまでに200万回以上視聴された。
オーストラリアはガスの輸出大国だが、地下深くに高圧で液体を注入し、岩層を粉砕して内部の天然資源を採取するフラッキング業界に対しては異論も多く、環境に対する影響への懸念から国内のいくつかの地域で世論の反発を招いている。農家や地主らは、フラッキングは地下水源を汚染する可能性があるとして危惧している。(c)AFP