空爆で30人死亡、停戦は事実上崩壊か シリア
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【4月24日 AFP】シリア各地で23日、同国政府軍と反体制派による大規模な戦闘が発生し、少なくとも30人の一般市民が死亡した。スイス・ジュネーブ(Geneva)での和平交渉が停滞する中、過去8週間続いた停戦協定が危機に瀕(ひん)している。
在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」の代表は、戦闘がエスカレートしたことにより、シリア政府軍とイスラム過激派組織以外の反体制派間で合意された停戦協定は事実上崩壊したとみられると述べた。
ロシアと米国が仲介役を果たして合意された同国の停戦協定により、ジュネーブで今月開催中の国連(UN)主導の同国和平協議で、過去5年間にわたるシリア内戦の解決策が見いだされる期待が高まっていた。しかし、27日まで続く予定の和平協議は今週、主な反体制派組織が和平協議からの離脱を表明したことで停滞している。
同国北部の大都市アレッポ(Aleppo)の民間防衛当局によると、同市で23日に行われた政府軍による空爆で一般市民12人が死亡した。一方、国営シリア・アラブ通信(SANA)は、アレッポで政府軍側が掌握する領域で反体制派による攻撃があり、一般市民3人が死亡、17人が負傷したと報じた。
シリア人権監視団はさらに、同国首都ダマスカス(Damascus)東方に位置し、反体制派が掌握する都市ドゥマ(Douma)の戦闘で13人が死亡、同国中部ホムス(Homs)県の都市タルビセ(Talbisseh)では、政府軍の空爆で男性2人が死亡したと述べた。
アレッポに駐在するAFP特派員によると、政府軍による空爆は人口の多い同市のブスタン・アルカスル(Bustan al-Qasr)地区などを標的としており、最も死者が多く発生したのは同市東端に位置するタリク・アルバブ(Tariq al-Bab)地区だったという。
政府軍によるアレッポ空爆は2日目を迎え、22日には25人の一般市民が死亡、40人が負傷していた。(c)AFP/Karam al-Masri with Maya Gebeily