【4月23日 AFP】米ニューヨーク(New York)の国連(UN)本部で22日、昨年12月の国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第21回締約国会議(COP21)で歴史的合意に達した「パリ協定(Paris Agreement)」の署名式が行われ、世界有数の環境汚染国である米中を含む175か国の代表が署名した。地球温暖化に歯止めをかける一層の努力が期待される。

 署名式では、COP21が開催されたフランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領がまず署名し、気候変動に最も大きな影響を受ける島しょ国の首脳たちが続いた。

 ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官が孫娘イザベルちゃん(2)を抱いて登壇し、歴史的協定に署名すると、各国の首脳や代表から拍手喝采が沸き起こった。

「アース・デー(地球の日)」に開催された今回の署名式は、単日の国際協定締結としては史上最大規模となった。

 協定への署名により、各国はそれぞれ約束した温室効果ガス削減目標の達成へ向けて一歩を踏み出した。国連総会(UN General Assembly)で潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長は、「歴史的瞬間だ」「皆さんは今日、未来との新しい契約に署名した」と述べた。

 今回署名しなかった国には1年間の猶予が与えられているが、175か国の署名を受け、今後は協定の迅速な批准と2020年以前の施行が主な課題となる。パリ協定は、世界全体の温室効果ガスの55%を排出する55か国が条約に批准した時点で施行される。

 195か国により合意されたパリ協定では、クリーンエネルギーへの移行などにより、産業革命以前と比較した気温上昇について2度を「大きく下回る」数字に抑えることを目標としている。(c)AFP/Carole LANDRY