F16戦闘機、救急患者の命を救う ノルウェー
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【4月22日 AFP】ノルウェーで今月、同国空軍のF16戦闘機が医療機器の緊急輸送し、患者の命を救った。メディア各社が22日、報じた。
この患者は、「ECMO(エクモ)」と呼ばれる肺と心臓の特別な治療を行わなければ死亡する状態だったという。
だが、患者が治療を受けていたノルウェー中部ボーデ(Bodo)の病院には、最後の望みであるこの治療に必要な機器も、治療に必要な技術を持ち合わせている専門家もいない。一方、ボーデの南450キロにあるトロンヘイム(Trondheim)の病院にはこの機器が利用可能な状態だった。
報道によると、病院スタッフは今月4日、空軍に機器の輸送を要請。トロンヘイムそばの空軍基地ではちょうど、F16戦闘機2機が離陸準備を進めていた。さらに幸運なことに、F16のうちの1機には、この機器を輸送できる外付けの貨物入れが取り付けられていた。
トロンヘイムの病院の医長はAFPの取材に対し、「(空軍からは)機器のサイズ以外は何も質問されなかった」と語った。
医療機器を積んだ戦闘機は全速力でボーデへ飛んだ。空軍部隊の責任者はノルウェーの日刊紙ベルデンスガング(Verdens Gang)に対し、「通常はこの距離は35分で飛行する」と述べ、「だが積み荷の特殊さを考慮に入れ、パイロットは機体を加速させて25分もかからず目的地に到着した」と付け加えた。(c)AFP