【4月22日 AFP】フランスの自動車最大手PSAグループ(旧PSAプジョー・シトロエン)は21日、自動車業界を揺るがす排ガス不正問題をめぐる捜査の一環で、仏経済財務省の競争不正抑止総局(DGCCRF)の立ち入り調査を受けたことを明らかにした。

 DGCCRFの発表によると、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス規制逃れを受けて行われた排ガスの大気汚染物質試験で、PSAの3車種に有害な排ガス排出量の「異常」が見つかったため。

 立ち入り調査は、首都パリ(Pars)市内4か所と東部モンベリアル(Montbeliard)にあるPSAの施設、計5か所で行われた。PSAは、捜査に全面協力していることを強調するとともに、同社の車両が「拠点のある全ての国で排ガス規制を順守している」ことを確認したと発表した。

 仏当局は、仏自動車2位のルノー(Renault)にも3か月前に突然立ち入り調査を行っている。

■VW、不正車両の買い戻しで合意

 一方、一連の排ガス不正問題の発端となったVWは21日、排ガス規制を逃れるソフトウエアを不正に搭載していたディーゼル車およそ48万台について、米国内の所有者に対し「十分な補償金」を支払って修理を行うか、同社が買い戻すかを提案することで米当局と合意に達した。

 排ガス試験における不正は三菱自動車(Mitsubishi Motors)でも発覚しており、60万台以上の車両で燃費を実際より良く見せるデータの不正操作を行っていたことを認めた同社の株には売りが殺到。わずか2日間で市場価値は25億ドル(約2700億円)も下落している。(c)AFP