移民500人水死の恐れ 地中海で密航船沈没、UNHCR発表
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【4月21日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は20日、地中海(Mediterranean)でアフリカからの移民を乗せた船が沈没し、約500人が水死した恐れがあると発表した。確認されれば、欧州で難民危機が始まって以降で最悪レベルの惨事となる。
今月16日に通り掛かりの商船に救助された生存者らがUNHCRに語ったところによると、沈没事故はリビアとイタリアの間の海上で、密航業者が移民を別の船に乗り換えさせた際に起きた。
移民らのうち100~200人は先週、リビアのトブルク(Tobruk)付近から全長30メートルの船で出発。数時間後、より大きな別の船に乗り換えさせられ始めたが、この船には既に定員を超過する数百人が乗っており、船は転覆・沈没したとされる。
救出されたのは男性37人、女性3人と3歳児1人の計41人で、沈没した船にまだ乗り移っていなかった人々や、既に乗り移っていたものの沈没後に泳いでもとの船に戻った人々だった。
生存者の船は、フィリピン籍の貨物船に救助されるまで海上を最長で3日間漂流していたとみられる。生存者らはその後、ギリシャ南部ペロポネソス(Peloponnese)半島のカラマタ(Kalamata)に運ばれた。
UNHCRによると、生存者のうち23人はソマリア人、11人はエチオピア人、6人がエジプト人で1人がスーダン人だった。(c)AFP/Fanny CARRIER