ブラジル大統領、弾劾採決を前に必死の働きかけ
このニュースをシェア
【4月17日 AFP】ブラジルのジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領は16日、下院本会議で大統領弾劾の是非を巡る採決が17日に行われるのを前に、生き残りを賭けて国会議員への働きかけを水面下で進めた。審議が下院を通過すると、上院での弾劾裁判へと進む可能性がある。
大統領の顧問の一人はAFPの取材に対し、彼女は17日の採決に向け、最後の交渉のため(大統領府に)とどまるだろうと話した。
下院本会議(513議席)の採決で3分の2(342人)以上が賛成すれば弾劾の審議は上院に送られるが、これを下回ればルセフ氏は大統領の地位にとどまる。
最新の調査によると、弾劾賛成派はすでに十分な支持を集めているとされる。現地紙フォリャ・ジ・サンパウロ(Folha de Sao Paulo)とエスタド(Estadao)は共に、賛成を347人と予測した。
だが、集中協議や、ブラジル全土で17日に予定される大規模なデモによって圧力がかかる可能性もあり、採決の行方は依然として不透明だ。
ルセフ氏は、再選を目指していた2014年の選挙期間中に、景気後退の影響を隠すために政府会計を不正に操作したとして非難されているが、前政権も同様の手法を用いていたとして自身の行動を擁護している。
ルセフ氏が17日に敗れた場合、審議は上院に送られ、審議を開始するかどうかについての採決が5月ごろ行われる見通し。この時点で、ルセフ大統領は180日間の停職を余儀なくされ、ミシェル・テメル(Michel Temer)副大統領が後を引き継ぐ。また、上院で3分の2以上が賛成した場合、ルセフ氏は大統領を辞任しなければならない。(c)AFP/Natalia Ramos, Laurent THOMET