【4月17日 AFP】欧州議会(European Parliament)の運転手2人が、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の宣伝用CDを所持していたのが発見されたと、16日の独週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)が報道した。

 同誌は情報筋の話として、ISの宣伝用CDが運転手の私物から発見されたことを受け、欧州議会では外部の民間会社への委託をやめ、議会自ら運転手チームを設けることを最近、決定したと述べている。

 今回の決定により、欧州議会の移動費用は年間1000万ユーロ(約12億円)に増えるため物議を醸している。だが、シュピーゲルによると、欧州議会は今回摘発された運転手2人の例が単独でない可能性や、民間会社の方がイスラム過激派関係者が入り込みやすいことなどを理由に、今回の決定は正当としている。

 ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)の欧州議会報道官はAFPに対し、(今回の決定において)「安全性の問題」に関するコメントは出されていないと述べた。

 一方、問題とされた運転手2人を採用していた仏パリ(Paris)に本社があるリムジンサービス会社「ビリビン・リムジン(Biribin Limousines)」は「ドライバーが解雇されたり、当社の車内から不適切なものが発見された事実はない」とし、シュピーゲルの報道は「うそ八百だ」と一蹴した。

 今月6日、ブリュッセルと仏ストラスブール(Strasbourg)を拠点とする欧州議会は、先月22日にブリュッセルで発生した連続テロ事件で自爆したイスラム過激派の一人、ナジム・ラーシュラウイ(Najim Laachraoui)容疑者が、2009年と10年の夏季休暇中にそれぞれ1か月間、欧州議会で清掃員として働いていたことを公表していた。(c)AFP