【4月17日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王(79)は16日、ギリシャのレスボス(Lesbos)島を訪問した。法王は「私たちはみな移民だ」と述べて欧州で難民申請中の人々に希望のメッセージを伝えたが、一方で必死に救いを求める移民・難民に冷たい対応をする人々を痛烈に非難した。

 欧州難民危機の最前線レスボス島への訪問は、法王がシリア人イスラム教徒の3家族計12人を法王専用機に同乗させてローマ(Rome)に戻るという劇的な形で結末を迎えた。シリア人家族は今後バチカン市国に滞在するという。

 法王は記者団に対し、自分の行為は「大海の一滴」でしかないと述べたが、今後は「海が変わること」を望むと話した。また法王はローマへ戻る専用機内で「すべての難民は神の子である」と語った。

 フランシスコ法王のレスボス島訪問では感極まった難民申請者が涙を流して法王の足元にひざまずく場面もあったが、難民12人のローマへの出発で、その感情は最高潮に達した。

 東方正教会のコンスタンチノープル総主教バルトロメオス1世(Bartholomew I)と、ギリシャ正教会のアテネ大主教イエロニモス2世(Ieronymos II)と共におよそ3000人の難民申請者が滞在する同島のモリア(Moria)難民登録センターを訪れた法王は、「あなたがたは孤独ではない。希望を失ってはいけない」と述べた。