【4月16日 AFP】(更新)世界反ドーピング機関(WADA)は15日、公認検査機関であったモスクワ反ドーピングセンター(Antidoping Centre Moscow)の認定を取り消した。スキャンダルに揺れるロシア陸上界は、さらなる痛手を負うことになった。

 昨年11月、WADAの独立委員会が、ロシアにおける国ぐるみのドーピングと、同国陸上界に関する腐敗の確たる証拠を報告したため、反ドーピングセンターは検査機関としての公認を停止されていた。以来、同センターは尿や血液サンプルの分析を含め、WADAに関連する一切の反ドーピング活動を禁止されていた。

 WADAは声明で、反ドーピングセンターが「分析機関国際基準および関連する技術文書に従わなかったため」認定を取り消したと発表している。

「センター側も認定停止を受け入れている。これは即座に適用され、センターの施設では、WADAやあらゆる機関の代わりに検査を実施することが禁じられる」

「今回の決定は、独立委員会の報告を受けてWADAの理事会が下したものだ」

 組織的ドーピングを受けて国際陸上競技連盟(IAAF)が科した処分により、ロシアの陸上選手は、8月のリオデジャネイロ五輪から排除されることになっていたが、ロシア陸上競技連盟(ARAF)はドミトリー・シリャフチン(Dmitry Shlyakhtin)新会長の下、この処分を撤回させようと働きかけていた。

 昨年11月に発表されたWADAの報告書では、ロシア陸連の上層部が運動能力を向上させる薬物が使用できる環境を作り、薬物違反を隠蔽(いんぺい)していたことなどが明かされている。(c)AFP