「性的暴行の罪問うのは男だけ」被告の女無罪に シンガポール
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【4月14日 AFP】(更新)シンガポール最高裁は12日、13歳の少女に対する性的暴行の罪に問われていた、生物学的には女性である被告に無罪を言い渡した。判事は、性的暴行の罪の根拠となる法律は男性器のある男性にしか適用されないと述べた。
ズニカ・アフマド(Zunika Ahmad)被告(40)は生物学的には女性だが、若いころから男性として生活してきた。ズニカ被告は昨年、少女に対する6件の性的暴行について罪状を認めていた。
ズニカ被告に無罪判決が下されたことは、女性や同性愛者の人権活動家から強い反発を招いている。
性的暴力の被害者を支援する施設を運営する「行動と研究のための女性協会(Association of Women for Action and Research)のジョリーン・タン(Jolene Tan)氏は、「(加害者の)ジェンダー(社会的・文化的な性差)が何であれ、特定の部位があろうとなかろうと、被害者が負う心的外傷が小さくなるわけではない」と述べた。
なお、2人の「妻」たちと暮らしていたズニカ被告は性的暴行の罪では無罪となったが、16歳未満と性的関係をもっていたとして、より軽い、禁錮8月の有罪判決を受けた。性的暴行の罪で有罪となっていた場合、同被告には1件につき禁錮20年が言い渡されていた可能性がある。(c)AFP