サウジアラビア、宗教警察に「優しく親切に」なるよう命じる
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【4月14日 AFP】サウジアラビア政府は、批判が相次いでいた同国の宗教警察から逮捕権を剥奪し、イスラム法に基づく取り締まりを「優しく、親切に」行うよう宗教警察官らに求めた。
国営サウジ通信(SPA)が12日夜に伝えたところによると、この変更はすでに閣議決定済みで、宗教警察官は身柄を拘束する権限を奪われ、違反者を警察官または麻薬取締官に報告しなければならなくなる。
サウジ通信によれば、「ハイア(Haia、別名ムタワ)」と呼ばれる宗教警察は、新たな規則のもとでは「善行を奨励するとともに、優しく親切に助言することで悪行を許さないという職務を遂行」しなければならないとされている。
また、新規則では「ハイアの責任者と構成員のどちらも、誰かを呼び止めたり、逮捕、追跡、尾行したり、身分証の提示を要求したりしないことになる。これらは警察官ないし麻薬取締官の管轄とされる」ことになるという。
サウジアラビアの宗教警察は、男女の隔離や、公的な場所で女性が全身を覆うことなど、イスラム法の厳格な解釈が実行に移されるよう取り締まりを行っている。
だが宗教警察が用いる手法はたびたび議論の的となっており、最近では今年2月、首都リヤド(Riyadh)のショッピングモールの外で若い女性に暴行を加えたとして、複数の宗教警察官が逮捕されたと、地元メディアが報じていた。(c)AFP