4.37光年先の星系を探査、露富豪とホーキング博士が発表
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■光速の約20%
米交流サイト(SNS)大手フェイスブック(Facebook)の創立当初の投資家の一人でもあるミルナー氏によると、プロジェクトチームは光速の約20%に相当する秒速6万キロの猛スピードで宇宙空間を進む超軽量の無人宇宙探査機を投入したいと考えているという。
今回のプロジェクトを進めるには、超小型の帆を装備したミニ探査機の船団を、特定の恒星に向けて推進させるための巨大なレーザーアレイ(大出力のまとまったレーザー光を放射する装置)を製作する必要がある。これにより、ミルナー氏の言う「星間空間の帆船」が実現するという。
これまでの研究で、レーザーアレイは約100ギガワットの出力が必要になると考えられている。プロジェクトに参加しているアビ・ローブ(Avi Loeb)米ハーバード大(Harvard University)教授によると、これはスペースシャトルを1機打ち上げるのに必要なエネルギーとほぼ同じだという。
ローブ教授は、地球外生命が存在する兆候を探すこともプロジェクトの目的の一つだと述べた。生命体が見つかるとすれば、それはどのようなものだろうか?ホーキング博士は、波乱に満ちた今年の米大統領選を指して「選挙戦から判断する限り、私たちとはずいぶん違っているだろうね」と冗談を飛ばした。
今回のプロジェクトは完全な実現までに最大100億ドル(約1兆1000億円)の費用がかかる可能性がある。プロジェクトの運営委員会には、ミルナー氏とホーキング博士の他、フェイスブック共同創業者のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏が参加する予定。(c)AFP/Thomas URBAIN