【4月13日 AFP】ブラジルのジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領は12日、ミシェル・テメル(Michel Temer)副大統領を「裏切り者」で「クーデターの首謀者」だと糾弾した。ルセフ大統領については、下院で17日に弾劾の手続きを進めるか決める投票が行われる予定となっている。

 ルセフ大統領は、テメル副大統領がルセフ氏の弾劾が成立した場合に行う演説を練習している録音が11日に流出したことに言及し「陰謀者の化けの皮が剥がれた」と述べ、「きのう(11日)、クーデターの首謀者として計画を練ってきた2人の存在が明らかになった」と非難した。個人名は挙げていないものの、文脈からその「2人」がテメル副大統領とエドゥアルド・クニャ(Eduardo Cunha)下院議長を指していることは明白だ。

 ルセフ大統領に対しては、再選を目指していた2014年の選挙期間中に、景気後退の影響を隠すために政府会計を不正に操作した疑いが持たれていることを理由に弾劾手続きが進められており、同大統領が罷免を免れようと土壇場の努力をしている様子がうかがえる。

 議会下院の特別委員会は11日遅く、混乱し騒然とする中で採決を行った結果ルセフ大統領の弾劾を勧告し、弾劾手続きの舞台は下院本会議に移った。関係者らによると下院本会議の審議は15日に始まり、17日に採決が行われるという。

 下院本会議(513議席)の採決で3分の2(342人)以上が賛成すれば弾劾の審議は上院に送られるが、これを下回ればルセフ氏は大統領の地位にとどまる。

 ブラジル紙エスタダオン(Estadao)の11日の最新の調査によると、下院議員513人のうち弾劾に賛成が300人、反対が125人となっており、88人が態度未定あるいは考えを明らかにしていない。(c)AFP/Eugenia Logiuratto and Damian Wroclavsky