【4月7日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は5日、強力な「国家親衛隊(National Guard)」を創設すると発表した。

 プーチン大統領はテレビ放映された、ウラジーミル・コロコリツェフ(Vladimir Kolokoltsev)内相や治安当局者との会合で、国家親衛隊は、内務省傘下の治安部隊と警察の機動隊および特殊部隊(SWAT)を統合して組織すると述べた。

 ロシア政府によれば、国家親衛隊は大統領直属で、テロや組織犯罪などに対応するとされるが、組織の規模は不明。専門家らは、9月に議会選挙を控え、当局が懸念している、経済危機をめぐる社会不安の高まりを防ぐ狙いがあるとみている。

 また、プーチン大統領は6日、「ロシアの歴史を国内外に広め、ロシア国民の歴史遺産と伝統を守る」ための国立財団「祖国歴史財団(Fatherland History Foundation)」の創設を命じた。これについては「ソビエト遺産」の回復を目指す試みの一つだとの指摘が出ている。

 ロシアでは旧ソ連の指導者ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)を批判する歴史家が、退役軍人を軽んじていると非難される例がたびたび起きている。2014年に成立した法律で、こうした歴史家を訴追することも可能となった。また、第2次世界大戦(World War II)でのソ連をめぐっては、特にナチス・ドイツ(Nazi)と交わした東欧に関する密約が問題とされているが、ロシア政府は当時のソ連軍を「欧州の解放者」とみなす以外の歴史観を一切認めていない。(c)AFP