パートナーの死で不整脈リスクが上昇、研究
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【4月6日 AFP】最愛のパートナーの死によって不整脈が引き起こされる恐れがあるとする研究論文が6日、発表された。重篤な不整脈は人の命を奪うこともあるという。
デンマーク人100万人近くの広範なデータを対象にした今回の研究では、パートナーの死に直面した人に心臓リズムの乱れがより多くみられることが分かった。また60歳未満では、その傾向がさらに強かった。
心臓関連のオンラインジャーナル「オープンハート(Open Heart)」に掲載された研究論文によると、最も不整脈のリスクが高くなるのは「(パートナーの)死去から8~14日後」だった。ただ、約1年後には通常のレベルに戻るという。
従来研究の多くは、パートナーが他界した後に人が後を追うようにして死去するという、比較的よくみられる現象の解明に焦点を当ていたが、今回の研究では、パートナーを亡くした人に、心房細動がどれだけみられるかを調査した。心房細動は、最も一般的な不整脈の一種であり、発作や心不全の原因となる。
研究者らは、1995年~2014年の間に収集されたデータを分析して、心房細動に関する特定パターンの有無を調べた。データでは、8万8612人が新たに心房細動を発症と診断されていた。88万6120人は健康だった。
研究論文によると、パートナーを亡くした人たちでは、初めて不整脈になるリスクが、そのような経験のない人たちよりも約41%高かったという。60歳未満では、この数字が倍増する。さらに、死亡前1か月間の健康状態が比較的良好で、死去が予測されていなかったケースでは、同57%となった。
研究チームは、研究はあくまで従来研究の分析であり、データ上の相関性を調べただけであるため、因果関係について結論を引き出すことはできないと注意を促している。(c)AFP