バイク泥棒と責められ、少年3人が裸で打たれ引き回しに インド
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【4月5日 AFP】インド西部ラジャスタン(Rajasthan)州の村で2日、カーストの身分が低い10代の少年3人がバイクを盗んだとして、怒った村人たちに服を脱がされて殴られ、裸のまま公衆の面前を歩かせられる事件が起き、その動画が5日、インターネット上に流出した。
報道によれば、同州チットールガル(Chittorgarh)で上位のカーストの男性のバイクを盗んだと非難された13~15歳の少年3人が村人によって木に縛り付けられ、打たれるなどした上で裸にされた。現地のニュース専門局NDTVが放映した映像によれば、複数の男性が、裸となった最下層カースト「ダリット(Dalit)」出身の少年たちを叩き、身を守るために少年たちがかがんでいるような様子が捉えられている。
警察は少年たちについても、また少年たちを襲った側の人々についても、事件として記録したとしている。チットールガル警察の幹部はAFPの電話取材に対し「これは上位カーストと下位カーストの対立ではない。窃盗と怒った暴徒の問題でどちらも悪い。暴徒の側からは今日6人を逮捕した」と語った。
少年らを襲っていた村人の中には、少年たちと同じカーストであるカンジャール(Kanjars)出身の者もいたという。カンジャールはインド北部から中部にかけて暮らす遊牧民だが、社会的烙印(らくいん)を押されて差別されることが多いため、集落や都市の外れで暮らすことを余儀なくされている。
カーストによる差別は違法だが、今もインドの日常生活のさまざまな場面で差別がはびこっており、特に人口の半数以上が暮らす開発の遅れた地方部では顕著だ。(c)AFP