各国首脳や著名人ら、租税回避地で巨額取引 ICIJ
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【4月4日 AFP】(更新)ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領に近い人物や各国首脳、著名人ら多数がタックスヘイブン(租税回避地)を利用して巨額の金融取引をしていたことが3日、報道機関が入手した文書で明らかになった。
文書にはサッカースペイン1部リーグ、FCバルセロナ(FC Barcelona)のリオネル・メッシ(Lionel Messi)選手や、中国で汚職撲滅に力を入れている習近平(Xi Jinping)国家主席の親族に関係するオフショア(租税回避地)企業、アイスランドのシグムンドゥル・グンロイグソン(Sigmundur Gunnlaugsson)首相夫妻の他、ウクライナ大統領、サウジアラビア国王、パキスタン首相の名前もあった。
100を超える報道機関が加盟する国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が行った租税関連文書の調査で、世界の政界関係者約140人がタックスヘイブン(租税回避地)を利用して極秘に取引を行っていたことが分かった。このうち12人は現役の国家首脳もしくは首脳経験者だった。
大量の取引記録は、南ドイツ新聞(Sueddeutsche Zeitung)が匿名の情報筋から入手したものをICIJが各国メディアに公開した。これらの文書は35以上の国に事務所を持つパナマの法律事務所モサック・フォンセカ(Mossack Fonseca)のもので、ICIJによると、タックスヘイブンにある企業など21万4000団体の1150万点の文書が含まれていた。
今回明らかになった取引のほとんどは合法的だが、名前が浮上した人物については政治的に大きな影響をもたらす可能性があるとICIJは指摘している。