【4月2日 AFP】ベルギー政府は1日、先月22日に発生した自爆攻撃で被害を受けたブリュッセル国際空港(Brussels Airport)の警備強化について、警察労組と合意に達した。政府筋によると同空港は3日にも営業を再開する可能性がある。

 数時間にわたる協議を終えた警察労組のトップはAFPに「合意に達した」と述べ、税関検査をする前に空港利用客とその荷物を「組織的に検査」するよう求めた警察労組の要求を政府と空港運営会社が受け入れたと明らかにした。

 警察労組のトップは、次のステップは空港の営業再開だと述べた。ベルギー政府筋はAFPに「3日朝にも営業を再開することを望んでいる」と話した。

 先月22日の連続自爆攻撃で空港の出発ロビーが損壊した。空港運営会社は先月31日、新設した仮設チェックイン施設をテストした結果、空港の営業を部分的に再開する「技術的な準備は整った」と述べていた。

 しかし警察労組が空港での検査を厳格化しなければストライキに踏み切る方針を示したため営業再開は遅れ、事件後に運航すると発表された便はまだ一本もない。警察労組は同空港でのこれまでの検査は緩かったと批判し、利用客が空港に入場する前に金属探知機による検査を行うことを提案していた。

■通常営業までは数か月

 空港運営会社は、営業再開後しばらくは通常の20%に当たる1時間当たり800~1000人の利用客を扱う規模になり、通常の営業に戻るまでには数か月を要するとしている。

 ブリュッセル国際空港の広報担当者は、警察労組との合意が公表される前、AFPに対して同空港の営業再開は早くて3日になると述べていた。

 ベルギーに年間30億ユーロ(約3800億円)の経済効果をもたらすとされるブリュッセル国際空港は、事件による経済的損失を今も公表していないが、ベルギーを代表する航空会社ブリュッセル航空(Brussels Airlines)は、1日当たり500万ユーロ(約6億4000万円)の損失が発生していると発表している。

 ブリュッセル国際空港は、260社の企業が活動し、合計で2万人が働いているベルギーで最大級の雇用主だ。(c)AFP