■警鐘となる事実

 今回のモデルに組み込まれたもう一つの自然のメカニズムは、氷床を支える壁となっている棚氷と氷崖(ひょうがい)の崩壊だ。これらはどちらも、背後にある氷床をせき止めるダムとして機能している。

「これらのメカニズムは、それ自体としては『新しい』プロセスではないが、これらを南極で、大陸規模で考慮したのは、今回が初めて」とデコント氏は話す。

 デコント氏によると、研究チームが今回のモデルを過去の温暖期に適用したところ、しっかりとつじつまが合う結果となったという。

 一方でこの成果は、未来に関して憂慮すべき結論をもたらすものでもある。

 デコント氏は、「過去の海面上昇の事例に照らして検証と調整を行ったモデルが、温暖化に対するこれほどの強烈な未来の反応をシミュレートしているという事実は、非常に懸念すべきこと」と指摘する。そして「これは、警鐘となるはずだ」とも付け加えた。(c)AFP/Marlowe HOOD